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会長あいさつ | 第35回日本内分泌外科学会総会 会長あいさつ | 第35回日本内分泌外科学会総会

会長あいさつ

第35回日本内分泌外科学会総会
信州大学医学部 外科学教室 乳腺内分泌外科学分野 教授
会長 伊藤 研一

この度第35回日本内分泌外科学会総会を2023年6月15日、16日、17日に長野県松本市で開催させていただくことになりました。 本学会は日本甲状腺外科学会と日本内分泌外科学会が統合し、2019年4月から一般社団法人日本内分泌外科学会として新たに歩み出しており、学術集会も2022年の第34回総会(会長 筑波大学 原尚人教授)から、年1回3日間の開催になりました。信州大学外科学教室では、本学会の前身の2学会のうち、日本甲状腺外科学会(旧甲状腺外科検討会)を、第1回(1968年、丸田公雄先生)、第7回(1974年、降旗力男先生)、第20回(1987年、飯田太先生)に、日本内分泌外科学会総会を第6回(1994年、飯田太先生)に開催させていただいておりますが、今回29年ぶりに松本で開催させていただけることとなり、大変感慨深く思っております。

学会のテーマは、「こころ分子におきてメスを構える」とさせていただきました。この言葉は、熊本大学の教授をお務めになられた小川道雄先生が20年以上前に述べられたもので、私の前任の教授であった故天野純先生からご教示いただいたものです。固形腫瘍の治療において、外科的治療の重要性は今後も失われることはないと考えますが、多様な分子標的薬の開発やがんゲノム医療の推進に伴い、腫瘍のバイオロジーに基づく治療戦略の重要性が日々増しており、まさに小川先生がおっしゃったように、「こころ分子におきてメスを構え」腫瘍に立ち向かう時代になってきていると考えます。

本学会は、甲状腺、副甲状腺、副腎、膵内分泌、乳腺の腫瘍性疾患のみならず機能性疾患に関しても、基盤領域を異にする専門的な皆様で議論するというユニークな面も有する学会です。第35回総会では、今後の内分泌外科領域の診断や治療の発展を目指し、がんゲノム医療の応用や展望もあわせて議論を行いたいと思いますので、ぜひ多くの演題をご応募いただき、松本にご参集いただければ幸いに存じます。 2022年初夏になり、各学会でも徐々に現地開催が再開されつつあります。現時点では、通常の現地開催をめざしておりますが、今後の状況によってはハイブリッド開催も想定し、準備を進めて行きたいと思います。学会の開催形式に関しましては、随時ホームページなどで情報を発信させていただきます。

松本は「三がく(岳・楽・学)都」と呼ばれております。「岳都」は水と緑と北アルプスが織りなす美しい情景、「楽都」は世界的な音楽家が集うセイジ・オザワ松本フェスティバルやSuzuki Methodによる音楽教育、そして「学都」は国内で最も古い小学校の一つである旧開智学校に代表される明治からの地域の教育への情熱をそれぞれ象徴する言葉です。「学都」で皆様に内分泌外科学に関して活発なご討論をいただければと思います。

会場から徒歩数分の所に松本城や旧開智学校があります。美しい自然と清らかな空気と水、そして穏やかな町が皆様をおもてなししてくれると思います。ぜひ多くの演題をご応募いただき、梅雨時でも朝夕は爽やかな信州で、内分泌外科学の未来を皆様と熱く語らせていただきたく思います。松本までの交通の便は決して良いとは言えませんが、多くの皆様にご参集いただけますことを願っております。末筆となりましたが、会員の皆様には、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。